大好きだよ どん!
どん!私はお前が大好きで大好きでたまらなかった。あれは小学校2年の運動会の日、忘れもしない。お前は父との約束どうり我が家にやってきたよね。
初めてのご対面はベランダの仮設犬小屋で。お前は耳をたれて座ってたよね。
かわいっくってかわいくって。だってお前がうまれて、お前が来るのを毎日毎日楽しみに待ってたんだもん。
父さんの友達の犬が子供を産んだと聞いて、お前は運命的に我が家に来て、そして家族になった。
なんで女の子なのにどんっていう名前なの?ってよく聞かれたけど、名犬どん松五郎からとってどんちゃん。
おかしかったかな?私もお前と同じ子供だったからよくはわからなかったのかもね。
両親が共働きだったし、私はお前をつれてどこにでも遊びに行ってた。初めての散歩は駄菓子やの前。ぷるぷるふるっちゃっててか〜わいかったなぁ〜。
母さんも最初は犬を飼うことは反対してたけど、私はいつもお前といたから寂しくなかった。直君もそう。どんは私達兄妹の子守りやくだったんだって。
おとつい母さんが言ってたよ。そうだよね、私はある意味お前に育てられたといっても過言じゃない。一人の時は必ずどんがいたもん。
お前が産んだ子犬も可愛かったね。もらわれてお別れの時は寂しかったね。二人で泣いたよね。そうだ、一緒に泣いたんだ。
お前と過ごした日々は14年。わかってる?今のとこ私の人生の半分以上をお前との日々が占めてるんだよ。
お前は私が成人するのを見届けてくれた。新しい世紀も一緒に乗り越えた。
お前は車が大好きでどこにでもついてきたよね。駅まで迎えにくるにも母さんと一緒についてきた。お前は車に乗せてくれる母さんが大好きだったね。
後ろの席でずっと外の景色を見てる。どこか楽しいところにつれてってくれる車が好きってのもあったのかもしれないね。時としてはそれが病院だったりしたときもあったわけだけれど、
お前が車を好きになった瞬間を私は知ってるよ。家の事情でお前を飼えず、おばあちゃんの家に2年近くいたことがあったよね。けれど、やっとお前とまた一緒に住めるようになって
お前を車に迎えに行った時、お前は車を好きになった。実は知ってたんだよ〜。
そんな車好きなお前はいろんな景色をいっぱいみてきたんだよ。元気なうちに海をみせてやりたいって家族で海にも言ったよね。あれは去年。
砂浜で楽しそうにはしゃぎまわるお前の瞬間瞬間はちゃんと写真に収めてある。いつでもお前の笑顔に会えるんだよ。嬉しいな。
お前の命日は平成13年3月16日。満14歳。どんは例えいつ死んでも幸せだ。幸せな犬だって家族とはよく話してたけど、いざそうなるととても未練がましい。
悲しくて、寂しくて、涙なんかもう出ないくらい出したのにまだまだ出てくるんだ。冗談じゃなしに頬に涙のわだちが出来ちゃったよ。
病院で最後まで最後まで抗って抗って老体にムチうってお前は頑張ったね。ごめんね。家に帰りたかったんだよね。入院するなんて思ってもなかったし、ちょっと見てもらって
治って帰ってくるつもりだったんだよ。私達はお前に生きてもらいたいから、最後までお前にかけてたから、一緒にもう一回帰りたかったから、お前が大好きだから、お前を先生に任せたんだ。怖かったね。嫌いだもんね、病院なんか。生きる可能性が50%から20%に下がったと宣告されたとき、お前は発作を2回も起こして昏睡状態だった。家につれてかえるかどうか家族とさんざんもめたんだよ。
けど、可能性が20%でもある限り、先生がまだあきらめてないのに私達が勝手にあきらめるわけにもいかないってわけで、みんながみんな祈ってた。
どれだけかわってやりたかったか。けど、免許がない私でも自転車でいっていけない距離でもなかったし、あの時雨降ってたけど、帽子かぶってお前に会いに行ってよかったよ。
怖かったんだよ。家族はみんな仕事で私だけが時間都合つけれたから私ひとり会いに行ったんだけど、お前はそのとき昏睡状態。その前の日もそう、自転車で行こう!と思い立ってお前に会いにいってよかったよ。意識のあるお前を最後にみれたのは私だし、お前が意識あるうちにみれた家族も私だった。ちょっと自信過剰かな〜?
でもみんながお前に呼びかけてたのは聞こえてたでしょ?お前は一人じゃなかったんだよ。いつでも私達がお前を思ってたんだから。それだけはわかってね。
意識がある最後の日、お前は私にべったりだった。結構でかいのに私のひざに座り、かえるーって。ふだん、あまり私になついてなかったくせに。
思えば不思議な力がたくさん働いてたね。仕事で移動の多い直君がたまたま近くにいることがあまりにも多かった。
最後の日、本当は次の日にいく予定だったんだ。朝も見にいったしね。しかも午前の診療時間が終わるぎりぎりまでお前に呼びかけ、なでてさわりまくってた。
午後に先生に電話してまた明日行きますって話もしてたんだけど、やっぱどうしてもお前との散歩の時間にお前がいなくて、私が家にいるってのが気持ち悪くって、
その穴埋めをしたいと思ってやっぱりもう一回いこうと思ったんだ。お母さんは仕事だからダメだったけど、幸い、直君が仕事から帰ってこれるから一緒に行こうって
誘ったんだ。それで直君がじゃあ、先生にもう一回先生に行きますって電話したらって言うから電話した。そうしたら先生もちょうど、本当にちょうど電話をしようと思ってた
とこだったって、お前の呼吸がおかしいって、急いで急いで、走った。早くお前に会いたかった。けど、走って駆け込んで病院で最初に見たのは診察台に置かれた大きな箱。
そして肝心なお前がいつもの場所にいない。立ち尽くしたよ。たった今だった本当に。
けど、お前を迎えに私達兄妹でいけたのも本当に不思議だし、たとえ間に合わなかったとしても、それはお前が私達にそれを見せたくなかったんだって思うことにしたんだ。
だってそうでも思わなきゃやりきれないよ。結果的には間に合ったんだよ。先生も言ってたよ。ごめんね。勝手に思い込んで。先生も泣いてくれた。頑張ったって。
お前を弔ってあげた今日は土曜日で、直君も休みだった。いや、休みになったんだ。本当は仕事が入ってたんだけど、変更になったんだって。
父さんはいけなかったけど、家族はみんないたよ。
お骨になって帰ってきてお前は49日まで私達家族のそばにいる。ここでまた不思議で49日の日、セレモニーホールにある祭壇にお前を祀る日もちょうどGW。休日だ。
百が日も土曜日。休みだ。来年の命日も土曜日、再来年の命日も日曜日、休みだ。だから家族メンバーは比較的そろいやすいんだ。不思議だね。
霊園も去年市内に出来て、直君なんか仕事の行き帰りはかならずお前の場所を通るんだよ。本当に近いんだ。
まだ時間が近すぎて、お前を思えば涙もとまらない。一人になるといつも探してたお前がいないってのはめちゃくちゃ寂しいよ、やっぱ。
けど、お前のことを考えずに私は勝手に泣きじゃくっているのかな。みんながみんな悲しいね。それぞれの思いがあるね。でも、高松家は間違いなくお前中心にまわってたよ。
みんなお前が大好きで大好きで愛らしくて、そしてかしこいぶん、人間化してたねお前は。
誰かが言ってたよ会いたいと思えば必ず会えるんだ。私もそれは思う。だからどんと、私をはじめ、父さん、母さん、直君はであったんだ。だから又必ず会える。出会えるんだよ。
ただそれまでが、私達に授けられた修行期間なんだね。ちょっと寂しいけどがんばるよ。どん。どん。どん。どん。どん。どん!ありがとね。だ〜いすきだよ!
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