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2002年4月 折れた花束

哀しいな〜、と思ったつい先日の出来事です。
桜が咲いてからの冷たい雨が降る日でした。ある駅に降りたところ、駅前のビルの入り口に「北海道富良野町観光協会」の方が数人いらっしゃいました。PRでしょうか、ラベンダーの香り袋とドライフラワーの小さな花束を配っていました。雨の日のお昼、皆、急ぎ足で通り過ぎていきます。欲しい!と思ったのですが、何せ荷物が多く、とにかく用事を済ませて、帰りにまだ残っていたら・・・そんな気持ちで私も通り過ぎました。雨だというのに、周囲には柔らかいラベンダーの香りが漂っていました。

ビルの角を曲がると、私の前方に一人の男性が歩いていました。50代ぐらいでスーツを着たサラリーマン風の人でした。その人が突然、何かを道端の植え込みに放り投げました。何だろう、と思って植え込みを覗いて見ると・・・、ラベンダーの花束だったんですね。唖然としました。30cmぐらいの長さのその花束は、ちょうど真ん中から二つに折られていました。透明のビニールにくるまり、小さなブルーのリボンが結んであります。雨に濡れて植え込みに放り投げられた花束は、何だかとっても哀しそうに見えました。

捨てるのならもらわなければいいのに・・・。花束は、決して街頭のビラ配り(失礼!)のように、無理矢理押し付けられて配られていたわけではなかったんです。その場所に近づいて手を差し出さなければもらえない。捨てるのなら、何故、わざわざもらったのでしょう。とてもショックでした。可愛らしい小さな紫の花束を二つに折る、そんな心が私には全く理解出来ませんでした。雨の日に折られて捨てられるために、わざわざ北海道からドライフラワーになってやってきたわけではなかったのにね・・・。私はその折れた花束を植え込みから拾い、家に持ち帰りました。

若者の犯罪、10代の犯罪が増加しています。が、無理もないことだと思います。こんな大人が周囲にいたら・・・、若者や子供は決して「希望」や「夢」を持てないでしょう。他人の「痛み」がわかるようにはならないでしょう。子供は、産まれた時には純真無垢なとっても綺麗な状態です。そして様々な環境の中でいろんな色に染められていくのです。子供は大人を見て育つのです。今の子供や若者が問題なのではなくて、きっと、私達の側、大人に問題があるのでしょう。だって・・・、こんな大人がいたら・・・ね。

ここを読んでいらっしゃる方々も、そんな人の心は理解出来ないでしょう?どうして、あんなに小さくてはかない花を折れますか?どうして、植え込みに放り投げることができますか?私は・・・ゴミを捨てるよりもタチが悪いと思いました。何だかとっても哀しい気持ちになった雨の日の出来事でした。

今、私の部屋はラベンダーの良い香りでいっぱいです。この可愛らしい花束は、「欲しい!」と思って通り過ぎてしまった私のところに、わざわざ来てくれたのかもしれません。だから今は・・・、あの日あの場所を通って良かったな、と思うようになりました。

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