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2000年8月 FOOD=風土という考え方>

最近、とても興味深い本を読みました。
”幕内秀夫”先生が書かれた「体によい食事 ダメな食事 -伝統食に学べ-」(風濤社)という本です。
戦後の日本における食生活の変化と、それに伴い現れてきた病気、また世界各地の食文化とその変化など、様々なデータも豊富に取り揃えられ、現代に至るまでの食文化の変遷についてわかりやすく書かれていました。
そして、幕内秀夫先生はこうおしゃっています。
”FOOD(食物)は風土が決める”のだと。
この言葉にはとても説得力があり、食生活を改めて振り返り、考えさせられました。

先日の「雪印食中毒事件」ですが、これはその食品が「牛乳」だっただけに、より一層の被害をもたらしたのではないでしょうか。もちろんどんな食品であれ、口にするものですから社会的責任は重大です。しかし、「牛乳」という日本人の食生活に欠かせない食品であったがために、被害者の数は考えられないほどの多数にのぼり、そのダメージが大きかったのです。
でも、考えてみて下さい。日本人は、いつから牛乳を飲むようになったのかを。
(もちろん、この本にはその詳細が書かれています。)

今、日本では世界各国の様々な料理が楽しめます。一昔前には、考えられなかったような食べ物が店頭に並び、それを食することが出来るレストランなどのお店があります。なかには想像もつかないような、あまり馴染みのない国の料理も食べることが出来ます。こうして、日本人の食生活は大きな変化を遂げ、その一方で、日本人が昔から食べ続けてきた「日本の食事」が失われつつあるのが現状です。

FOOD(食物)は風土が決める、というのはつまり、食べ物はその土地、その国で採れたものを食べるというのが自然だという考え方です。小麦が採れる(小麦しか採れない)国ではパンを食べ、トウモロコシがよく育つ(トウモロコシしか育たない)国では主食がトウモロコシになります。日本には、きれいな水を生かして作られた米があるのです。

最近、太平洋の南の島「トンガ王国」では、生活習慣病にかかる人が非常に増えたのだそうです。国外からの食物の輸入が増え、それまでトンガでは食べられていなかった羊の肉がその原因ではないかと言われています。(実際、この羊の肉は、その高脂質のためにニュージーランドでは食べずにいるものを、トンガに輸出しているそうですが。)これは、遠い南の国の話だけとは思えず、現代の日本にもどこか通じるものがあるのではないでしょうか。

この本の内容は、賛否両論かとは思います。
が、忘れられつつある日本の伝統食を、もう一度見直すことによって、そこから学ぶべきことが多いのは事実でしょう。
ランチや今夜の夕飯のおかずに迷った時には、ふと手を止めて、お肉や揚げ物が中心の食事を、真っ白な塩やパン粉から作られる食事を、日本の懐かしい食事に変えてみるのも良いと思います。

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